急に寒くなってきた季節だが、皆様どうお過ごしだろうか
今年の夏はいよいよ暑く感じた事は記憶に新しいが、皆様は2021年の冬の寒さを思い出せるだろうか?
そう、遡る事1年半前のあの冬は私にとってとても寒い冬であった
なぜそこまで寒かったのか、理由は多々ある
西高東低の冬型の気圧配置があまりにも西高東低であった為、気温に作用した事も要因の一つだ。
よつぎ邸は最大10名の遠征者を宿泊させる事をコンセプトに家探しをした事もあり、家賃に対して床面積が広い(当社比)。広大な床面積を確保する為ロフト付きのワンルームであるから天井が高く、暖房の効きが悪い事も理由の一つだと言えよう。また、築15年にもなる木造建築はあちこちガタが来ている事もあるだろう。
しかし、寒さの最たる理由は物理的な問題ではなかった。むしろその寒さの根源は自らの内側にこそあった。
この年、よつぎは孤独に苛まれていた。
当年とって27歳、27年目の冬、よつぎは狼狽えていた
コロナもすっかり広まって回復の兆しを見せていたものの、未だ感染拡大中の時期であり我が家への訪問者は減っている事でより寒さが身に染みた。
また、人生に迷いがあった。
天衣無縫のよつぎという男はかつてポケカと心中しようとこのカードゲームを始める覚悟を決めた事がある。要するにいい年してカードゲームを始めるのだから異性及び周囲に冷遇されようとも屈する事なく邁進しようと心に決めたのだった(尚、時々覚悟を破って女性と飲みに行ったりしていたのは目をつぶって頂きたい)
だが、覚悟が揺らいだ。
ここからは私の完全な持論だが、ポケモンカードにも他のEスポーツあるいは競技スポーツ等と同様に競技者としての寿命があるように思う。
恐らくそれは人生の若い期間、個人差もあろうが25歳前後でピークを迎える。選手としてのピークを維持できるのは以降5〜6年では無いだろうか。(活躍している30代の方も見かけるので個人差はあることは触れておく)
ポケカと共に心中すると決めた男のピークはささやかなものでしかなく、あまりにも心もとなかった。
ピークがここなら今後の勝利の期待は薄く、心中するような価値はまるでない。
年齢を重ねて引き返せなくなる前に、「普通の人生」のレールに帰っていくべきではないか?そんな悩みが日々脳裏を過ぎった。
そんな折、Twitter(現:X)に当時画期的な新機能が追加された。「スペース」と名付けられたその機能はフォロワー同士での音声による通話や会話の傍聴等が行える。
暇だった事もあり、スペースを用いて様々な方とお話する中でよつぎに転機が訪れた。ポケカ界隈でも長老の「なにものか」氏(この当時35歳)と対談する事ができたのだ。
(ポケカの歴史を研究している考古学者とも言うべき重要人物)
結果から言えば人生を変える一言を頂くことができた。
他に数名の参加者もいる前で切実な胸の内を吐露した事を記憶している。
よ「で、今後どうしようかと思ってて…」
な「よつぎ君今27歳?僕もよつぎ君ぐらいの歳の時はそういう悩みがあったよ」
な「で、何もしなかったらそのままこの歳になっちゃった」
正直背筋が凍った。聞いた瞬間激しくむせた
人生は何もしなければ、何も起きないままなのだ。
貴重なスペースの時間は終わり、眠る時間になっても言葉は頭の中を回り続けた
何かしなければ…と考える
何をすれば普通の人間ルートに合流できるのか、どうすれば真人間として認められるのか、これをひたすら考えた
ポケカを辞めたところで所詮オタクが無になる程度の事だ(しかも外側はオタクのまま)
では、どうすれば良いかは火を見るより明らかだろう
────異性に認められる事だ。
"普通"の人生はハードルが高く思えた
が、幸いだったのは私の周囲にはアドバイスをくれそうな友人が数名の心当たりがいくつかあった事であった
まずは見た目からなんとかする事にした
よつぎ一門最強のデッキビルダーこと、あまりりすに頭を下げて服を見に行った
この男はデッキの構築だけでなく服の構築もソツなく行えるのだ
もし、この記事を読んで私と同じく背筋が凍った男性読者の方がいれば以下の構築論を参考にして頂ければ良い
服にハイブランドは必要ない、ユニクロで充分、というかユニクロが最適である
これはシンプルに服は凝るとダサくなるからだ
シンプルisベストというわけ
とにかく柄の無いものを選び、とにかく色は薄いものを選べば間違いがない。靴下すら表情の無い無地で白いものを選ぶ事だ
ズボンは黒のチノパン以外必要ない。必要に応じて同じものを数本用意すると尚良いだろう
但し、全身をコーディネートするに当たって唯一気を抜いてはいけない部分がある、それは足元だ
女性というものは細部にこだわる。足元は特に見られるので注意が必要だ
男の足元はスニーカーかドクターマーチン以外は存在しないと知れ。それ以外は全て"男向け"ジャンルの1つに過ぎない
さて、身だしなみを整えた所で実際に女性にアプローチをするフェーズに移るわけだが、ここで読者諸君に問おう。
運命の出会いとは何か。
ここにY青年(青年と呼ぶには少しばかり歳がいっている)が1人いるとしよう。彼は文学青年風の装いをしており、見た目に違わず読書が趣味だ
彼が何の気なしに書店に向かったとしよう。古めかしいが行きつけの隠れ家的書店だ
そこで彼が視界の端に捉えた歴史小説を右手を伸ばして取ろうとする。すると同じ本を手にしようとした一回り小さな手が歴史小説コーナーの前で交錯する
手の主の方に目をやると可愛らしい女性であった
触れ合った手の感触に思わず驚いて、お互い同じ歴史小説を読みたがっていた2人はお互いに遠慮し合い、結局2人ともその店で購入する事もなく各々の興味のある本を購入し帰路についた
後日また行きつけの書店に行くとやはり歴史小説のコーナーに彼女がおり、お互いに示し合わせたように件の歴史小説を読んでいるのだった
2人は喫茶店に場所を移し、感想を語り合いながらも愛を深めていく───
これがY青年の"運命の出会い"だろう
こんなものは存在し得ない、幻想である
大体このYという男は読書好きを自称しながら、書店に行くのはチェンソーマンの新刊が出た時ぐらいではないか
行きつけの書店は駅近にあるチェーン店でしかない。しかも最近潰れている
そして本を手に取る際に手が触れ合う、などという事が有り得る訳もないしその相手が妙齢の女性であるわけが無い。しかも相手が自分を好きになる確率まで掛けたらドレイク方程式といい勝負だろう
聡明な読者の方々はいよいよお気付きになられたと思うが、運命の出会いというのは後天的に決まる
汚い出会い方だろうがなんでもいいから運命の人に出会えばそれが運命の出会いなのである
逆に言えば真っ当な社会人になった後から異性と出会おうと思えば多少健全とは言い難い方法か社内恋愛、若しくは友人の紹介等で相手を見つけるしか方法は無いのである
妄想を捨て、狩りに出よ
という事である
さて、長すぎる前置きを置いて私が何を伝えたかったというとマッチングアプリを始める決意を固めたという事だ
こんなものは不健全である、とは考えていたが他に寄る瀬も無かった
1つ問題があるとすれば、マッチングアプリを始めるに当たって、私はその見識を一切持ち合わせていなかった点である
地図を持たずに旅に出るほど愚かな事はない
こればかりは運が良かったとしか言いようがないが私の友人に有識者がいた。
名をりんと言う
優男に見えるがなかなかのやり手だ。ナンパはしないし、不誠実な恋愛とはかけ離れている。
(余談だが彼の元にナンパ師からナンパ解説noteの売り上げが下がるから活動をやめてくれと苦情が来るほどだ)
りんに切実たる内情を打ち明けつつ、彼女のできた暁には肉を奢る事を約束し戦場へと旅立つ事にした。
彼は焼肉一食の口約束で非常に優秀なメンターをこなした。アプリを始めるに当たっての写真撮影やプロフィールの作成、使えるお店の紹介、日々の戦略会議LINE等、およそ焼肉の一食では及ばぬほどの協力を惜しみなく行ってくれたのだ。
もし読者諸兄が私と同じ寒さを感じる事があればりん恋愛神社の鳥居をくぐってみてはいかがだろう(ステマ)。その際は焼肉代分の賽銭を忘れないようにすると良いだろう
さて、強力なメンターも仲間に引き入れ私の婚活は始まった。
ここからは読者諸兄の為にも私がファーストペンギン(全然ファーストではない)となって集めてきた情報を恥ずかしながら公開しよう
使用したアプリは[Pairs]だ。メンターからの助言で純粋に会員数が多く、雰囲気も遊びよりも真面目に近いとの事であった。尚、半年程度続けてもダメなら違うアプリに行けば良いとの事。(ほかの候補は[with]等)
メンターの協力もあり、プロフィールが固まってからはひたすらアプローチを続けまくるのみだった。
以下に記録として簡単なカップル成立までのフローの一例を紹介する
[Pairs]の場合は
女性の条件絞り込み(所在・年齢・趣味等)
男性側のいいね→いいねを受けた女性が男性のプロフィールを見つついいねを返す(逆もあるが稀)
約2週間ほど文字による会話を行う
実際のデートを数回繰り返す
カップル成立
といった流れだ
特に2週間程度のメッセージのやり取りを行う点は真面目な雰囲気のアプリ、という事で間違いないのだろう。即会うという感じにはならない
年上、年下様々な女性からいいねが返ってきたので様々な方とお話の機会があったが、これも幸いな事に自分は知らない相手と話をするのがそこまで苦痛ではないタイプであった。自分も知らないような事について語ってもらう時は見識が広がるようであった。(なおこれがまどろっこしい場合には婚活パーティー等直接会えるタイプの媒体をオススメする)
様々な方と話をした。中には話が盛り上がりすぎて1ヶ月以上話した挙句デートに誘うタイミングが分からなくなりフェードアウトしていった方もいた(その節は申し訳ない)
ちょうど4月下旬の出来事だった。色々な方と会話してきた中でメッセージからとても印象の良い方がいた。
趣味はバッチリ合うわけではなかったが、とにかくメッセージのやり取りが楽しく、なんだか快適に話が進んだ。
一方でこの時よつぎは怒っていた。
この年のイカれたGWの予定に、である
GWといえば相手も休みである事が多い。従ってデートに誘うのにはうってつけだ。この時デートのフェーズに移った女性もいなかった為、焦っていたのだが、GWはポケカの予定をガッツリ詰め込んでいた。
こんなモン全て自分が悪いのだが、貴重なGWを逃した事で焦りに焦っていた
かくしてGWで(CL横浜に行った事は隠しつつ)横浜旅行に行った体にし、お土産を買う事でデートのきっかけにしようと考えた(安直)
今最も盛り上がっている女性を上記の安直すぎる誘い文句で夜の栄に呼び出して、2人で喫茶店で食事をした。
なんの話をしたかもう記憶が定かではないが、会話は大いに盛り上がり2件目にバーに行くことにした。私の事前リサーチに反し少々おっさん臭いバーではあったが、彼女は初めての経験であった為大いに喜んでいた。
酒で惚けた彼女の顔を見て私は恋に落ちたのだ
その日はそこで解散し、後日2回目のデートに行った。
2回目のデートは海を見に行った。誕生日が5月というので少しタイミングがずれたがサプライズのお祝いもした。
ここでまた私個人の話に話を戻そう。
私は再び怒っていた。そう、ポケカにである。
この年のポイントレースは流行り病の影響もあり、2年分のポイントレースをまとめた形式だった。2年前と言えばそう、よつぎが最も調子に乗っていた時期である。
https://x.com/yotsugi141/status/1342739142854103043?s=46&t=6U0_eivProdSwYW9Nd9EZw
この時のCSPがまだ残っている為、トレリを完走すればJCSには出られそうな位置にはいた
しかし、JCSの出場は辞退する事とした
3回目のデートの日程と被ったから。自分の人生と向き合ってポケカと天秤にかけた。
出れない分はこちらで成果を出すと決意をした。
人知れず裏JCSが開催されたのである
デートの内容は食事とショッピングの簡単なものだった
一通りの行程を経て、別れ際になった
抱えていた覚悟の重さもあった。元々ブレーキの効かない性分なのも災いした
あまりにも早すぎる告白だった
────回答はYESだった
https://x.com/yotsugi141/status/1535897533683503105?s=46&t=6U0_eivProdSwYW9Nd9EZw
デートが終わった後、足元がおぼつかなくなるほど浮かれていた
ここがゴールではない、ここからがスタートだ
5年間ポケカに捧げたよつぎという男の人生
社会に出てから5年の月日はあまりにも濃密で重要だ
ここからはポケカではない6年目が始まる
ポケカから学んだ事、そして一緒にポケカをしてくれた方々から学んだ事、それらに支えられながら歩む1年目だ
よつぎではなく「いしい」の1年目が始まる
という訳で今から2年程前を遡って当日を思い出しながら書きました
私的な事ばかりでお恥ずかしい限りですが、特にこれからこういう人生の決断をスタートする方への後押しとなれば幸いです
前後編の前編のつもりで書きました
次回「よつぎ、家を買う」編でお会いしましょう
それでは、良いlifeを〜
おまけ
なにものか on X: "突然ですが、結婚しました。今後ともよろしくお願いします。 https://t.co/OLKSUFqsaf" / X
おめでとうございます!
末永くお幸せに!
お互い頑張りましょう